「難病」の定義

今日、毎日新聞をさりげなく見ていたら気になる記事があった。

難病:国の助成、対象拡大へ 法制化視野に厚労省検討

 ◇「公平」重視、総合的支援創設も 手当削減、懸念の声



この議論に関連し、本記事にも記載されているが、 2006年に潰瘍性大腸炎は、助成対象から外れる議論があった。

対策委では、特定疾患の「入れ替え」が議論になったこともある。06年に助成対象から除外が検討された「潰瘍性大腸炎」の患者、秀島晴美さん(49)=同県唐津市=は「頼る制度がない難病患者にとって、医療費助成は最後のセーフティーネットだ」と危機感を強める。


2006年の時代は私は寛解期にあり、ずぅ〜と一生、寛解のまま過ごすのだと考えていたため、この議論を重要視していなかった。
しかし実際に大腸全摘出まで至る経緯を辿り、助成がなければ生活は確実に破綻していただろう。

潰瘍性大腸炎の重症患者は、LCAP/GCAP、レミケードを初めとした免疫抑制剤、大腸全摘出をするための手術代、内科治療をするため、数ヶ月間の入院費など、本当に膨大な治療費を国から補助して頂いている。

特定疾患の難病から外れるということは、特定疾患の補助が受けれず、個人負担で全額医療費をおさめなければいけない。もし本当に特定疾患から外れたとしたら、本当に大変な問題となると考える。

ただ、特定疾患の難病から潰瘍性大腸炎が外れると決まった場合、駆け込み手術が増えるのではないか?とも考えたりする。

現在、内科治療が限界でも無理に継続して治療を行っている人は、特定疾患の受給者証のおかけげで経済的負担が少ないからというのも一つの理由だと考える。

このため、経済的な問題で内科治療を早めに諦め、外科手術に踏み切る人は増えるだろうと思う。

対策委の委員も務める日本難病・疾病団体協議会(JPA)の伊藤たてお代表(66)=札幌市=は「病名だけで助成対象を線引きし、差別を生むような制度ではなく、大きな枠組みで難病患者を支えることが必要だ」と指摘。厚労省疾病対策課は「患者の方々が不公平感を持っていることは十分認識している。解消できるよう、対策委の議論を受け、検討していきたい」と話している。

確かに線引きは難しいと思う。例えば、潰瘍性大腸炎で長い間寛解期を維持している人にも補助をすべきか?などや、我々の様に大腸全摘出をした患者に対して 継続して特定疾患の受給者証の認定をすべきかなど課題はあると思う。

大腸全摘出をしたのだから、病気の根絶ができたと考え、完治したと考えた場合、難病の指定を解除し、医療費補助を打ち切るという方針がでても、我々は何も言えない。
しかし術後の後遺症や合併症で悩む事は多くあるようだ。そのため、やはり受給者証を継続して頂きたい。


ただ、現在、私はストーマをして生活を過ごしているが、一時的にストーマをする生活であるため、手帳をもらえない。手帳をもっていないため税金の優遇やストーマ補助など障害者向けのサービスを受けれない。
ストーマになる前まで、約3ヶ月間入退院を繰り返し、生活に支障がある生活を送っているため、生活のQOLを考えると、手帳を頂けたらどんなに生活が楽になる事かと考えた。

しかし、難病は世界に5000~7000種類あると言われ、今の指定は一握りに過ぎない。また現在は、障害者手帳を持っていなければ、税金の優遇や雇用支援など障害者向けサービスを受けられない。症状が良くなったり悪くなったりを繰り返す病気の場合、「支障なく生活できる」と判断され、特定疾患の患者でも手帳の取得率は約2割にとどまっている。

また下記の病気では、月平均3万円、入院をした場合、おそらく高額療養費制度で8万円位の負担がかかる事が予想される。この病気が難病ではなく、我々のような潰瘍性大腸炎の軽度の患者が難病患者であることは同じ病気を患っている者としておかしい。

佐賀県神埼市で暮らす中川明子さん(25)も、特定疾患に指定されず苦しむ一人。小学生の頃に、腎機能が低下する難病「ネフローゼ症候群」の診断を受け、入退院を繰り返してきた。医療費は月平均3万円、入院すると月20万円かかることもある。「高額療養費制度」で一部は還付されるものの、生活は厳しい。運動機能に障害はなく、体調がよい時は仕事ができるため、障害者手帳の枠組みにも該当しない。

ただ、潰瘍性大腸炎の軽度の患者がいつ重症化するかわからないため、外すとなると実際に難しい所がある。
重症化したらすぐに申請したら、受給者証を貰えるとなるといいのだが、重症化した場合、最初に行くのは、役所ではなく病院だ。今の制度では役所に申請した日から、補助を受けられるようになっているため、重症化した場合、即入院となり、病院から抜け出す事もままならないため、重症化する前にやはり受給者証はもっていたいのが患者の心境だろう。

この問題は、当事者間の利権争いが絡むため、本当に難しいと思う。
ただ少子高齢化が進み、財政状態は今後も悪化を辿るのは確実で、いつまでも現状の制度に甘えることができないのも現実であろう。

患者自身も生活を改め、可能な限り、自分の医療費は自分で賄えるようにしておくのがベストだと考える。国に頼るのではなく、自分自身の体は自分で守るという心がけが大事だろう!

また本来は5割を国が補助するはずだが、財政難から都道府県が超過負担しているのが実情だ。厚労省は「このままでは制度の安定性を保てない」と、法制化によって法的根拠を強化し予算獲得につなげたい考えだ。





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